想起 -Remind-
最近初めて書いた小説とその予告動画が急にRTといいねを頂いているので久しぶりに読んでみました。
…なんともお恥ずかし…しかし内容的には嫌いではない…(自分大好きかっつーの笑👋)
後にも先にも小説を書くことは多分無いだろうな…と思いここにあげます。
Twitterでは画像であげたんですが、画像読み込むことできない人(低速な私です✋)いるのでここに記念としてあげようかなーーって。
Twitterにも動画と画像をあげてるのでぜひ見てくださると嬉しいです😶
では…どうぞ🔎
想起 -Remind-
目が覚めると私は森の真ん中に立っていた。
違和感だらけのこの空間。
上を向けば眩い光が差し込み、周りを見渡せば海の底のような深さを連想させる。
奇妙な事に目を刺すような光はこの森を照らしてはいなかった。透明な壁が光と暗闇を真ん中で分けているかのように。
『あーあ。こんなとこ来ちゃって。』
突然背後から発せられた声に振り返るとそこには不適に笑う人がいた。
『なに?あ、俺のこと?それとも" 私は誰なの〜?助けて〜 "って?(笑)』
「ここは…ここは何処ですか?」
『無視かよ(笑) まっいいや。着いてこいよ。』
後ろを向けたその背中は少しだけ小さく、しかし闇そのものを現している気がした。
さっきまで音が無かった世界に、私と彼の足音だけが谺響する。(森なのに生き物の気配がないな)とさっきから感じる違和感が一つ解けたことに何故だか冷静に納得する。
『そんな不安そうな顔しないでよ〜。慰めて欲しいんでちゅか?(笑)』
「別に慰めて欲しくなんかありません。」
『ふはっ、ほんと嘘つくの下手くそだね、〇〇は… 』
「何で名前を?」
『それは言えないでしょ〜、〇〇ちゃん。(笑)』
彼の口調や態度に怒りを覚えるが、時折見せる切ない顔が頭を離れずにいる。
『はい、と〜〜ちゃく!』
「此処は?」
『とりあえず、そこの扉開けて中入れって。そしたらアイツが上手いことやってくれっから。』
「 " アイツ " って誰?」
『めんどくせぇ〜(笑)』
「貴方は何を知っているの?これからどうなっちゃうの?ねぇ…教えてよ!」
『乱暴狼藉を働くなって。だからぁ〜言ってんじゃん、扉開けてアイツに聞けって(笑)』
彼に聞いても埒が明かず渋々木製の少し古びた扉に手をかける。不思議と不安はない。それよりも彼の言う " アイツ "とは誰なのかが心に引っ掛かっている。
___ギィィィ……ガチャン___
『〇〇?』
その悲しげな目は私を一瞬見て、また別の場所を見つめた。
「…え?」
私は彼から目が離せなかった。
" アイツ " と呼ばれていた目の前の彼は" アイツ " と呼んでいた森で最初に出会った彼と同一人物だった。
違う…顔は同じだが彼を纏うモノが違う。森で最初に出会った彼が黒を纏う〈闇〉なら、扉を開けた先の今目の前にいる彼は白を纏う〈光〉だ。
「…寂しいの?」
違う場所を見ていた彼はまたゆっくりと私を捉える。
それはそうだ。突然会った見知らぬ者からの「…寂しいの?」だもの。
「悲しい顔してる…」
私の口が勝手に動くと同時に彼の瞳が見開かれる。
「悲しいの?辛いの?」
口が止まらない
「苦しいの?どうして泣きそうな目をしているの…?」
少し眉を下げて困ったような表情をした彼は力なく笑う。
『思い出したの?』
「何も…」
『そんな不安そうな顔しなくても大丈夫。』
「別に不安だなんて…」
『ほんと嘘つくの下手くそだね、〇〇は…大丈夫だよ、〇〇は戻れるから。』
「それさっき…」
無意識に涙がぽろぽろと零れ落ちていく。
彼の指が私の頬を拭いた時、私にどこか懐かしさを思い出させた。
『大丈夫だよ。』と何度も言う彼はそっと私の手を握った。
『〇〇、<生きたい>と強く願いこの先の道を振り向かず進みなさい。』
「貴方は…貴方はどうするの?」
彼はまた少し眉を下げて力なく笑った。
『ほら…早く。決して振り向かず…』
違和感だらけの空間、光と闇のような彼等の謎は解かれないまま白い扉に手をかける。
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〔誰かー!誰か来てください!!〕
朦朧とする意識の中に響く声。
「(今をどう生きる…)」
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翔くんが亡くなって1年。私は必死に生きてきたつもり。家族にも友人にも痛みや悲しみを決して見せず「大丈夫」と自分で言い続け、出来るだけ笑うようにしてきた。
「泣いてたって翔くんは帰ってこない。だから私は翔くんの分まで生きる」
全て嘘。
こんな嘘に縋るのも疲れた。
「だから…」って言い訳にはならないのは自分で十分理解している。
___バシャァァァン___
白い扉を開け進みながら翔くんの事を思い出した。「何故あの時翔くんのことを思い出せなかったのだろう」と後悔を募らせ、振り返りたい気持ちを抑え前に進む。
『ー今をどう生きるー』
『ばいばい。いつでも俺は傍にいるから。だから…頑張れ。』
[ギフト/嵐]
俺が死んでからどれだけ時間が過ぎただろう
優しく俺の手を握るあなた
そんな景色(思い出)が何故か今になって胸の深いとこ熱くする
いつから大事な言葉ほど素直に言えなくなったんだろうな
付き合いが長くなると隣にあなたがいることを俺が当たり前にしちゃつたんだな
ふと空から見つめたあなたのその背中は少しだけ小さく思えた
俺はあなたの手を握ることさえもできない
そんな自分の弱さを知るたびに
あなたのぬくもりがこんなにも温かく恋しいものだと知りました
この歌(こえ)が響くようにと届くようにと
あの頃素直に伝えられなかった飾らないそのままの思いを
俺がまたいつか誰か(森にやってきたあなた)を守るときがくれば
あの頃のあなたの手を思い出すだろう
あなたは痛みや悲しみを決して人に見せたりしない
俺が残した弱さ(後悔を自分の痛みかのように
背負って
無理に小さく笑っていた
空に旅立つ僕に何度も何度もあなたのことを思い出しては勇気を貰いました
遠い街(空の上)から眺めてるよどんなときでも
「今をどう生きる」確かなひとすじの思いを
夢に続くこの道(白い扉の先そして俺がいない未来)立ち止まったときは
俺が空から大きな声で「大丈夫」と励ますから
この歌(こえ)が響くようにと届くようにと…
それはまるで笑い合っていたあの頃のようにどこか懐かしい匂いがするような
俺にとっての一輪の花(あなた)
俺がまたいつか誰かを(森にやってきたあなた)を守るときがくれば
あの頃のあなたの手を思い出すだろう